コンテンツにスキップ

モーションモード

設計した部材に、扉・引き出し・蓋などの開閉の動きを付けるモードです。動かしたい部材を「モーション」としてまとめ、回転 (ヒンジ) や移動 (スライド) の軸を合わせると、部材が実際に開いたり閉じたりするようになります。可動部を動かして、仕組みが成り立つか、他の部材とぶつからないか (干渉) を組み立て前に確かめられるので、設計の検証に役立ちます。さらに スライドアルバム と組み合わせると、視点の切り替えと動きをそろえた手順説明やプレゼン動画を作れます。

モーションモード

モーションモード

モードに入る

タイトルバー中央のモード切替で「モーション」を選びます。詳細は タイトルバー のページを参照してください。

体験版の期間が終了している場合は、モーションモードには入れません。

部材は初期位置 (動き出しの状態) で作っておく: モーションは、配置済みの部材を動き出しの初期位置を基準に動かします。扉や引き出しなら、閉じてぴったり収まった状態を初期位置として設計モードで配置しておき、モーションモードで動きを付けてください。部材そのものの座標は初期位置のまま保たれるため、何度開閉しても材料取り図や集計には影響しません。なお、初期位置は設計モードで部材の位置や角度を調整して決められます。

画面構成

モーションモードでは、左サイドパネルが2 列に広がります。

エリア 表示
左パネル (左列) 設計ツリー。部材の一覧です (ドラッグ元)。
左パネル (右列) モーションツリー。動きの入れ物を並べる専用の作業面です (ドロップ先)。
中央 3D ビュー。動きをプレビューします。

設計用の道具 (材料の追加・塗装・右側のプロパティパネルなど) は、動きを付ける作業に集中できるよう表示されません。

モーションを作る

モーションツリー (右列) で動きの入れ物を作ります。列ヘッダの「追加」から動きの種別を選びます。モーションがまだ無いときは「部品に動きをつける」という案内が表示されるので、その中の大きな作成ボタンからも同じように追加できます。

ボタン 内容
回転 軸まわりに回る動き。扉・蓋・フラップなど。
移動 軸方向に滑る動き。引き出し・スライド蓋など。

追加から回転 / 移動を選ぶ

「追加」ボタン、または最初の案内から回転 / 移動を選んで動きの入れ物を作る

モーションは、必ずいずれかの スライド に属します。開いているスライドがあれば、そのスライドに追加されます。スライドがまだ 1 枚も無いとき・どのスライドも開いていないときは、「回転モーション」「移動モーション」という名前のスライドが現在の視点とフォルダ表示状態で自動的に作られ、そこに追加されます (スライド名はあとから自由に変更できます)。

スライドの自動作成

スライドが無い状態で追加すると、受け皿のスライドが自動で作られる

種別はあとから変更できます (モーションの行を右クリック →「回転に切替」/「移動に切替」)。作成したモーションは、名前のダブルクリックで分かりやすい名前 (「引き出しを開ける」など) に変更できます。モーションを削除するには、行にマウスを載せると現れるゴミ箱ボタンを押すか、行を右クリックして「削除」を選びます (部材を外す「対象から外す」(✕) とは別のボタンです)。

モーション行の右クリックメニュー

行の右クリックメニューから種別の切替・名前の変更・コピー・削除ができる

動かす部材を入れる

設計ツリー (左列) の部材を、モーションツリーのモーションへドラッグ&ドロップで入れます。

  • 入れた部材は参照として扱われ、設計側の実体は変わりません。同じ部材を別のモーションでも使えます。
  • 1 つのモーションに複数の部材を入れられます (観音扉の片側など、複数の板を 1 つの軸でまとめて動かせる)。
  • 部材を外すには、モーション内の部材の行にある「対象から外す」ボタン (✕) を押します。別のモーションへドラッグすると、そのモーションへ移し替えられます。

部材をモーションへドラッグして入れる

設計ツリーの部材をモーションへドラッグして入れる

軸を合わせる

3D ビューには、軸を表すマーカーが表示されます。表示されるのは開いているスライドのモーションの分だけで、モーションを選ぶとそのマーカーが強調されます。種別で見た目が変わります。

種別 マーカーの見た目 表すもの
回転 縦の軸 (円柱) + 扇形の羽 軸の位置 = 回転の中心 / 扇形の開き = 回転範囲 / 黄色い目印 = 始点側
移動 矢印型 (⇒) 矢印の向き = スライド方向

マーカーは、移動・回転マニピュレータで実際の回転の中心や移動方向に合わせます。マーカーは常に最前面に一定の大きさで表示されるので、部材に隠れず位置合わせができます。

軸マーカー (回転=扇形の羽 / 移動=両端矢印)

軸マーカー (左: 回転の扇形 / 右: 移動の矢印)

移動マーカーは矢印の形をしており、部材は初期位置から矢印の方向へ直線移動します。移動は方向だけが効くため、位置をきっちり合わせる必要はありません。動かす部材の近くに置いておくと、マーカーと対象の関連が把握しやすくなります。

回転マーカーは、中央の軸を中心に部材を回転させます。羽 (扇形) の部分が回転範囲 (初期値 90°) を表し、回転範囲を変えると扇形の開き具合も変わります (範囲を大きくすると円盤に近い形になります)。扇形の端の黄色い目印がある側が始点です。回転は軸の位置がそのまま回転の中心になるため、軸の位置は回転の中心 (扉なら蝶番、蓋ならヒンジ、車輪なら車軸など) に合わせて慎重に調整してください。

軸を取り込み

軸を取り込み」を使うと、シーン上の部材をクリックして、その位置と向きを軸にそのまま写し取れます。回転の中心や移動方向の目印になる部材 (蝶番・レールなど) があるときに、軸合わせの手間を省けます。

可動域と現在値

モーションの行をクリックして選択すると、モーションツリーの下部に設定エリアが現れ、動く範囲を設定できます。

項目 内容
可動域 開ききった状態までの量 (終点)。回転は角度 (度)、移動は距離で指定します。始点は常に初期位置 (動き出しの状態) です。
現在値 初期位置〜終点の間の今の開き具合。スライダーで動かすと、3D ビューの部材が連動して開閉します。

回転と移動は単位が違うため、それぞれ別に保持されます。種別を切り替えても設定値は失われません。可動域・現在値はプロジェクトファイルに保存されます。

可動域と現在値スライダー

モーションを選択して可動域と現在値を設定する

再生のしかた

複数のモーションを順番・時間差・繰り返しを付けて再生できます。プレゼンソフトのアニメーション設定と同じ考え方です。モーションを選択すると、ツリー下部の設定エリアに「動き方」の設定が現れます。

項目 内容
開始 このモーションが動き出すタイミング。「前の後に」(直前の動きが終わってから) / 「前と同時」(直前と同時に) から選びます (既定「前の後に」)。
開始遅延 開始前の待ち時間 (秒)。少しずつ間を空けて「スッ・スッ・スッ」と順に動かしたいときに使います (既定 0 秒)。
継続時間 片道に動く時間 (秒)。既定は 1.2 秒です。
往復動作 「する」(開いて閉じる) / 「しない」(開いたまま止まる)。既定は「する」です。
繰り返し 「回数」を指定するか、「無限ループ」にするか。既定は 1 回です。

開始遅延・継続時間は 0.1 秒刻みで、最大 10 秒まで指定できます。

動き方の設定 (開始・継続時間・往復・繰り返し)

「動き方」で開始のタイミングや繰り返しを設定する

モーションツリーの並び順がそのまま再生順になります。行をドラッグして並べ替えると再生順が変わります。

タイミングを合わせるコツ

「開始」と「開始遅延」「往復動作」を組み合わせると、動き出すタイミングを細かく調整できます。

  • 前のモーションの途中で動き出させたい: 「前と同時」を選び、開始遅延に少し時間を入れます。前のモーションと同じ瞬間を基準に、その遅延ぶんだけ遅れて動き出すので、前の動きの途中から重ねて動かせます。
  • 「前の後に」と往復動作の関係: 「前の後に」は、直前のモーションが動き終わってから始まります。直前が往復動作 (する) の場合は、開いて閉じきって元の位置に戻ってから次が動き出します。直前を開いたまま (往復動作=しない) にすれば、開ききった時点で次に移ります。

「前と同時」を開始遅延なし (0 秒) にすると、前のモーションとまったく同時に動き出します。複数の扉を一斉に開きたいときなどに使えます。

スライドごとに整理する

動きは スライドアルバムスライド単位で整理します。1 枚のスライドが 1 つの工程の章にあたります。

  • モーションツリーは常にスライドの見出しで区切られて表示されます。各モーションは、必ずいずれか 1 つのスライドに属します。
  • 見出しをクリックするとそのスライドが開き、視点が復元されて、以降のモーション追加はそのスライドに対して行われます。
  • スライドを削除すると、そのスライドに属すモーションも一緒に削除されます。所属モーションがある場合は、削除前に件数付きの確認が表示されます。

スライドごとの見出しで区切られたツリー

モーションツリーはスライドの見出しで区切られる

スライドを再生すると、まず視点とフォルダ表示状態が復元され、続いてそのスライドに属すモーションが動きます。工程ごとにスライドを順に再生すれば、解説動画がほぼ自動でできあがります。

スライドへ割り当てる・複製する

モーションをどのスライドに置くかは、モーションツリー上の操作で決めます。

操作 結果
モーションをスライド見出しへドラッグ そのスライドへ移し替えます (所属変更)。
Shift を押しながらスライド見出しへドラッグ そのスライドへ複製します。軸・可動域・再生の設定を引き継いだコピーが作られます。
モーションを右クリック →「コピー」、別のスライド見出しを右クリック →「ここに貼り付け」 コピーしたモーションをそのスライドへ複製します (Ctrl+V でも貼り付けられます)。

複製は、同じ部材の動きを別のアングルのスライドでもう一度見せたいときに便利です (たとえば「全体図のスライドで扉を 90° 開く」と「アップのスライドで同じ扉を 30° だけ開く」を別々に作る)。ドラッグ中は、移動か複製かがカーソルそばのバッジと枠の色で分かります。

再生する

再生には 3 つの粒度があります。

粒度 操作 用途
このモーション以降 モーションを選択し、設定エリアの「動き方」見出し横の再生ボタン 選んだモーションから後ろを、視点を動かさずその場で確認する。
1 スライド スライド見出しの「このスライドを再生」 1 工程の動きを見せる。
全体通し ツールバーの「再生」 全スライドを順に再生する (スライドショー)。

このモーション以降を再生」は、選んだモーションとその子のモーション、さらに並びが後ろの兄弟のモーションまでをまとめて、順番・時間差どおりに連続再生します。親より前のモーションや別の系統には進みません。先頭のモーションを選べば、そのスライド全体をまとめて確認できます。視点 (カメラ) は動かさないので、好きな角度から眺めながら動き方や可動域を調整するのに向いています。

全体通し再生では、各スライドに停留秒数だけ留まってから次のスライドへ進みます。停留秒数はツールバーで指定します (1〜60 秒)。スライド見出しのクリックやスライド再生では、そのスライドに記録した視点へカメラが移動します。視点を動かさずに動きだけを確認したいときは、「このモーション以降を再生」を使ってください。

モーション終了まで待つ」を ON にすると、各スライドのモーションが終わるまで停留を延長してから次へ進みます (無限ループのモーションは停留秒数で打ち切られます)。

一時停止・再開

全体通しの再生中は、ツールバーの「一時停止」ボタンで、その瞬間の状態のまま再生を止められます。一時停止中は同じボタンが「再開」に変わり、押すと止めた続きから再生を再開します。動きの途中の見え方をじっくり確認したいときに使います。

「再生」(停止) ボタンを押すと、一時停止の有無にかかわらず再生を終了して初期位置に戻ります。

入れ子で連動させる

モーションの中に別のモーションを入れ子にすると、親が動くと子も連れて回ります (アームライトのように多段で連動する動き)。行の右クリックメニューから「子に回転を追加」「子に移動を追加」で入れ子のモーションを作れます。

子のモーションの軸マーカーも、親の動きに合わせて一緒に移動します。親を動かすと子の軸が正しい位置に付いてくるので、多段の連動でも軸の合わせ具合を見たまま確認できます。

モーションを入れ子にすると、親の動きに子が連れて回る

1 つの部材に回転と移動を両方かける

入れ子を使うと、同じ部材に回転と移動の両方を効かせられます。たとえば「回りながらスライドして出てくる」ような動きです。

  1. 回転モーションを作ります。
  2. その子に移動モーションを作ります。
  3. 動かしたい部材は、子 (移動) の側に入れます。

部材は内側 (子の移動) から外側 (親の回転) の順に変換が重なるので、移動して、さらにその結果が親の軸で回転します。対象部材は内側のモーションに入れるのがポイントです。

保存

モーションツリーの内容 (動きの種別・軸・可動域・現在値・再生の設定・スライド所属) は、プロジェクトファイル (.cadiy4) と一緒に保存されます。次回そのプロジェクトを開いたときも、付けた動きはそのまま使えます。

関連ページ